無治療経過観察


Ⅰ適応
 70-75歳を超える高齢者でGleason3+3ないし3+4の顔つきのおとなしいがんで、PSAが10-20ng/ml以下の患者さんが適応になります。若年者でもGleason3+3(生検標本の1-2本にがんがみつかている) 、PSA10ng/ml以下、腫瘍がこじんまりしているという一定の基準を満たせば、直ちに根治療法は不要と考えられており、PSAで経過観察をすることは可能です。一旦無治療経過観察を選択した症例でも、経過観察中PSAが急上昇する症例ではその時点で治療を考慮すれば良く、今後より多くの症例で取り入れられることになると考えられます。
Ⅱ治療成績
 長所はがんが発見される前と同様の生活が送れることである。経過観察中がんが進行する可能性があること、余命を短くする可能性があることを十分に理解しておく必要がありますが、無治療経過観察の適応になる症例に対して治療を積極的にすることにより利益が得られるという証拠はなく、あまり怖がりすぎないことが肝要であります。当院の無治療経過観察症例の検討では、経過中PSA上昇の著しい症例に治療を行った結果、5年後の無治療経過観察率は約50%でありました。